糖尿病外来をさいたま市で始めて
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糖尿病の診療をさいたま市で始めて約13年くらいになるが、その間たくさんの患者さんを診察してきました。また、H24年12月より新たに糖尿病外来をたち上げた。同じ糖尿病患者さんでも、理想体重よりもかなり体重の多いタイプや、理想体重に近いタイプ、理想体重を割ってやせ型のタイプなど、教科書的ではあるが、実にさまざまだった。さらに、治療も、前記した体重とかなり関連性があるが、食事と運動療法のみでよい患者さん、糖尿病のお薬が必要なタイプの方、インスリンの補充療法（Basal Sapported Oral Therapy）が必要な方なども診療させて頂いた。
また、食事療法についても、ある程度必要カロリーが守れて体重があまり増えない方や、まったく食事が守れずにどんどん体重が増加してくるタイプの方など、症例によって色々だった。
糖尿病患者さんの血糖コントロールの指標として、HbA1Cという項目があるが、この値（NGSP値）を7.0%以下を目指して治療するがこれがなかなか思うようにいかない。糖尿病のお薬が予測したよりも効いて、どんどんHbA1C値が低下してしまい、薬の量や種類を急いで減らささなければいけない症例や、逆に、体重が増加してくる患者さんに比較的多いが、お薬の効果が予想通りにいかず、薬の量や種類をどんどん増やさざるをえない患者さんもいた。糖尿病の性質として、いったん、代謝状態が改善しHbA1C値が減少すると、どんどんHbA1C値が減少、逆に、いったん、代謝状態が悪化しHbA1C値が増加すると、どんどんHbA1C値が増加してしまう。
この辺を、食事療法や運動療法、お薬の調節でうまくHbA1C値をNGSP値で6.4%程度を理想として、一定のレベルに保つのが難しい。
中には、血糖値が非常に高い間は、尿糖として尿の中に出てしまうブドウ糖の量が非常に多いため、この間は体重が、理想体重をはるかにオーバーして一定レベルになるが、お薬の調節（量や種類を増やす）で血糖値が下がってくると、尿に出るブドウ糖の量も減少し、今度は体重がすぐに増え、徐々に血糖も前のレベルまで増加し、体重だけが更に増えてしまう。このパターンをしばらく繰り返し、以前に比較して、HbA1C値は高いままだが、体重だけが大幅に増えてしまうという症例である。こうした患者さんは、症例のところでも取り上げるが、非常に治療が難しい。教育入院や、インスリン注射に応じてくれるとよいが、応じてくれない場合非常に困ってしまい、課題の一つとなっている。
私の方針として、ほとんどの糖尿病の患者さんには、無料で自己血糖測定器をお渡ししている。患者さん自身に血糖を測定して頂くことで、甘いものや脂っこい食事を摂取した場合、すぐに血糖が増加してくることを患者さんに自覚して頂き、血糖コントロールに非常に役立っている。また、自己測定して頂いた食前や食後の血糖値を診療の際、参考にさせて頂いているが、この値の評価が、お薬の調節に非常に役立つ。実際には測定して頂いた血糖の値に、HbA1C値を考慮して薬の量や種類を決めている。 血糖自己測定器は、測定できる血液の量が最も少ないという理由で、ニプロ社のものを使用しているが、この測定器の説明を患者さんに、初診の際行なっている。また、電池の交換も1年に1度程度必要で、このあたりも患者さんに説明しないといけない。ただ、いったん患者さんに慣れて頂くと、前述したように糖尿病のコントロールには非常に有用である。
お薬を使用した場合や、インスリンを使用した場合は、低血糖という、手がふるえる、冷や汗が出る・・・など、独特の症状がみられることがあり、このときのために、患者さんにそのことをお話したり、ブドウ糖を常に携帯して頂くなどていねいに説明している。この低血糖は、インスリン注射の患者さんで、昼食の摂取が少なかったときに、夕食前に激しい運動をした場合に多い。同じ治療で（お薬の量、種類）でしばらくはうまくいくが、糖尿病本来の病気の性質として、数年すると耐糖能（糖を処理する能力）が落ちてくるということがある。こうした場合、同じ治療を受けていて、体重も増えていない患者さんは、血糖やHbA1Cも同じ値が続くはずと考えていることが多いが、前述のことを説明すると大体は納得してくれる。逆に、突如として、血糖のコントロールが大幅に改善されることがある。これは、患者さんが、スポーツクラブやゴルフなどを始めた場合などにみられることが多い。中には、何年も1種類程度のお薬で、同じ血糖値、同じHbA1C値を維持し、こちらは同じ処方を続けるだけでよいという患者さんもいる。渡辺医院のHPへ 携帯など文字が見にくい方はこちらをクリックしさらに携帯・・・をクリック
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