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糖尿病とは40歳以上の6人に1人は糖尿病といわれています。ことろが、糖尿病は自覚症状に乏しいため、治療を受けている人は半数にもおよびません。糖尿 病を放置すると病状は確実に進行し、いずれ重篤な合併症が起こってきますので、糖尿病の正しい知識を身につけ、主治医の指示にしたがってきちんと治療する ことが大切です。

「糖尿病」って何? 糖尿病は血液中のブドウ糖が増えすぎてしまう病気です。ブドウ糖は私たちの生命を維持する大切なエネルギー源で、血液中のブドウ糖の濃度(血糖 値)は常に一定に保たれています。しかし、このブドウ糖が効率よく使われない原因は、血液中のブドウ糖を筋肉や臓器に取り込むために必要なインスリンの働 きが弱くなったりするからです。

糖尿病は自覚症状がほとんどありません。 糖尿病の恐ろしいところは、その初期には全く自覚症状がないことです。そのため発見が遅れたり糖尿病と診断されても治療を受けない患者さんがた くさんいるのです。しかしきちんと治療を受けずに糖尿病を放置していると、増えすぎてだぶついたブドウ糖が体中の血管をぼろぼろにして、さまざまな病気を 引き起こすのです。

糖尿病の3大合併症 網膜症、腎症、神経障害 糖尿病の治療を行わないで、血糖値が高い状態が長い間続くと血管や神経が侵され、さまざまな合併症が起こります。 合併症の中でも網膜症、腎症、神経障害は、糖尿病の3大合併症と呼ばれ、成人の失明原因の第1位は糖尿病による網膜症です。 また、腎不全によって新たに血液透析を受ける患者さんの約40%は糖尿病による腎症が原因です。これらの合併症はいずれも高血糖によって網膜や 腎臓などの細かい血管が傷つくために起こります。

糖尿病による動脈硬化は糖尿病予備軍の時代からすでに始まっている 糖尿病は3大合併症のほかに、心筋梗塞や脳卒中の原因にもなります。糖尿病になると、心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈硬化になりやすっから で、糖尿病患者さんが心筋梗塞を起こす確率は、健康な人の2から3倍も高いといわれています。この危険な動脈硬化は、血糖値が正常値より少し高い時期(糖 尿病予備軍)から始まっています。 この段階では糖尿病とは診断されませんが、健診などで「糖尿の疑いがある」とか「血糖値が少し高い」といわれたら、すでに危険な動脈硬化が始 まっていると考えて、医師の指導のもとで食事制限や適度な運動をすることが大切です。この段階できちんと治療を行えば、心筋梗塞の原因となる動脈硬化の悪 化や糖尿病になることを予防することも可能です。

糖尿病の治療の基本は生活習慣の改善から 糖尿病と診断されたら、たとえ自覚症状が全くなくてもすぐに治療を開始することが大切です。糖尿病は、糖尿病になりやすい体質を持った人に過 食、運動不足、ストレス過多、多量の飲酒など悪い生活習慣が加わることで発症します。 そこで、こうした悪い生活習慣を改善することが糖尿病に治療の基本です。特に食事療法と運動療法が重要で、主治医の指導に基づいて、食事による エネルギー摂取量を必要最小限に抑え、適度な運動を行うことが大切です。 しかしこうした生活習慣の改善だけでは血糖値を良好にコントロールすることは難しいため、多くの患者さんには薬物療法が必要になります。
きちんと血糖値をコントロールすることが合併症や心筋梗塞の予防につながります 血糖値を良好にコントロールするには、すでに述べたように、食事療法、運動療法そして薬の服用やインシュリン注射などがありますがこれらの治療 は全て日常生活の中での自己管理が中心となります。ですから、糖尿病に着いての正しい知識をもにつけ、「医者任せの治療」ではなく患者さんが積極的に治療 に参加するという姿勢が大切になります。きちんと血糖をコントロールできれば、糖尿病は決して恐ろしい病気ではありません。しかし合併症が起こってから 「ちゃんと治療をしておけばよかった」と悔やんでも、もう遅いのです。

自己血糖測定(SMBG:self-monitoring of blood glucose) 血糖自己測定とは患者さんが自分自身で採血して自己の血糖値を測定することです。日常の血糖値や血糖値の変動を把握して、血糖コントロールを目 指すことが大切です。また、最近では小型軽量・採血が微量(0.5μL)・痛みの少ない腕などから採血が可能になった血糖測定器が発売されております。普 段からの生活管理を行ってください。

糖尿病の診断 糖尿病の診断基準としては:
@ 随時血糖値200mg/dL以上が確認された場合
A 空腹時血糖値126mg/dL以上が確認された場合
B 75gブドウ糖付加試験で2時間値200mg/dL以上が確認された場合
C HBA1c値(JDS値)6.1以上が確認された場合 などを参考に診断します。

食事療法 糖尿病治療の基本は食事療法です。食事療法といっても特別なことを行うわけではありませんし、糖尿病だから食べてはいけないものも基本的にあり ません。大切なことは@適正なエネルギー(量)をとることA栄養のバランスを考えることの2点です。つまり偏食と食べ過ぎに注意し、ゆっくりと規則正しい 食事を行うことが大切なのです。

薬物療法 糖尿病の薬にはインスリンの分泌を促進する薬、インスリンの働きをよくする薬、糖の吸収を少なくする薬があります。この3種類の薬を患者さんの 状態に合わせて使い分けるのが、今日の糖尿病治療の基本です。しかし、薬を飲めば食事療法や運動療法を行わなくてもいいということではありません。あくま できちんと食事療法と運動療法を行った上で薬を飲まないと良好な血糖コントロールはできず、合併症や心筋梗塞を予防することはできません。

運動療法 運動療法は糖尿病の原因となる肥満を解消するだけでなくブドウ糖を取り込むときに必要なインスリンの働きもよくして血糖値を下げる役割を持って います。 運動療法としては、ウオ―キングなどが効果的といわれていますが、正しく行わないと十分な効果が得られないだけでなく健康を害して糖尿病を悪化 させる場合もあります。そこで運動を始める前には、必ず主治医の判断を仰ぐことが大切です。 また、運動を行えば少し食べ過ぎても平気と考えるのも危険です。食事療法と運動療法を一緒に行って、初めて効果が出るのです。